レッスンの考え方

この教室が大切にしていること

この教室では、
サルサを「習うこと」そのものよりも、
実際の場で、安心して楽しめるようになることを大切にしています。

そのために、
たくさんのことを少しずつ学ぶよりも、
必要なことを絞り、できるまで繰り返す形でレッスンを行っています。

踊りは、頭で理解するよりも、
体が自然に反応できるようになることが重要です。
このページでは、
そうした考え方や前提について、正直にお伝えします。

なぜ「繰り返し練習」を重視しているのか

多くのサルサレッスンでは、
毎回違う内容を練習することが一般的です。
新しいことを学んでいる感覚もあり、
一見すると充実しているように見えます。

ただ実際には、
「分かった気がする」だけで、
いざ踊ろうとすると何も出てこない、
という状態になりがちです。

サルサは、
頭で理解するよりも先に、
体が反応できるかどうかが問われます。

一度できた動きも、
繰り返し練習しなければ、
次の週には元に戻ってしまいます。
その状態で新しい内容を重ねても、
いつまでも同じところで足踏みすることになります。

この教室では、
「できたことを、その場限りにしない」ことを大切にしています。

同じ内容を何度も練習し、
前回より少し楽にできるようになる。
さらに次の週には、
考えなくても体が動くようになる。

その積み重ねこそが、
実際に踊れる実感につながると考えています。

繰り返し練習は、
最終的に一番早く「踊れる状態」に近づける方法だと、
これまでの経験から感じています。

正直に言うと、
私自身も最初は、
「これは自分には無理だな」と思いました。

だからこそ、
どうすれば無理なく身につくのか、
遠回りせずに積み重ねられるかを、
ずっと考えてきました。

なぜ毎週レッスンを前提にしているのか

サルサは、体で覚えていくダンスです。
頭で理解しているだけでは、
実際の場ではほとんど役に立ちません。

一度身についたように感じた動きも、
間が空くと、体の感覚は少しずつ薄れていきます。
その状態で次に進もうとしても、
毎回、同じところからやり直すことになりがちです。

特にサルサは、
「前回やったことを、体がまだ覚えているかどうか」
が、その後の積み重ねに大きく影響します。

毎週レッスンを行うことで、
前回の感覚を土台に、
ほんの一段だけ先に進むことができます。
この小さな積み重ねが、
踊れる実感につながっていきます。

間が空きすぎると、
体は忘れ、次のレッスンではまた同じ地点に戻ります。
その結果、
何年続けても、感覚が変わらないということも起こります。

実際に、
長く続けていても、
感覚が変わらないままの方を見てきました。

それは才能の問題ではなく、
積み重ねの単位が合っていなかった、
というケースがほとんどです。

この教室では、
そうした「足踏み」の状態をできるだけ避けるために、
毎週の積み重ねを前提とした構成にしています。

もちろん、急がせることが目的ではありません。
ただ、続けることで初めて意味が出るように、
全体のレッスンを組んでいます。

「できない前提」で教えるということ

この教室では、
「最初からできる人」を想定してレッスンを組んでいません。

サルサは、
経験がない状態では何が起きているのか分からず、
頭も体も混乱しやすいダンスです。
それは能力の問題ではなく、
初めて触れる技術として、とても自然な反応だと思っています。

特にサルサは、
実際の場では相手がいて、
音楽が流れ、
考える余裕がほとんどありません。

その中で、
「分からない」「間違えた」
という状況になると、
人は一気に余裕を失います。
その結果、
動きが止まったり、
自分の不甲斐なさを強く感じてしまうことがあります。

この教室では、
そうした状態になることを前提に、
レッスンの進め方を設計しています。

できないことを指摘するのではなく、
できない状態から、
どうすれば一段先に進めるか。
その順番を、最初から用意しています。

サルサを続けるうえで大切なのは、
できない自分を責めないことです。

混乱せず、
慌てず、
「今はここまで」と受け止めながら、
少しずつ体に馴染ませていく。

そのために、
この教室では「できない前提」で教えています。

サルサは「本番」が特殊なダンスだと思っている

サルサは、
練習と本番の距離がとても近いダンスです。

多くの習い事では、
ある程度できるようになってから、
発表や実践の場に出ることが一般的です。
一方でサルサは、
習い始めて間もない段階でも、
実際の場に出る機会がすぐに訪れます。

しかもその本番には、
相手がいて、
音楽が流れ、
周りには人がいます。

考える時間はほとんどなく、
その場の流れの中で、
体がどう反応するかが問われます。

この「いきなり本番」の感覚が、
サルサを難しく感じさせる大きな理由だと思っています。

そのため、
練習ではできていたことが、
本番ではまったく出てこない、
ということがよく起こります。

これは珍しいことではなく、
サルサの構造上、
とても起こりやすい現象です。

一人で完結する練習や、
評価される場が限定されている習い事とは、
少し性質が違います。

サルサでは、
毎回の踊りが、
そのまま人との関わりになります。

この教室では、
レッスンの段階から、
その「本番」を想定した進め方をしています。

単に技を覚えるだけでなく、
相手がいる中でどう動くか、
混乱しやすい場面でどう立て直すか。

そうしたことも含めて、
少しずつ体に馴染ませていくことを大切にしています。

技術の先にある「ふるまい」を大切にしている理由

サルサは、最初の段階では
「決められた動きができるかどうか」が中心になります。

ただ、ある程度その動きが身についてきた後は、
技術がどれだけ巧みかよりも、
踊っているときのふるまいが、
楽しさに大きく影響してくると感じています。

踊りながら自然に出る表情や、
相手と過ごしている時間を楽しんでいる雰囲気。

そうしたものの方が、
実際のサルサの場では、
ずっと大切にされます。

レッスンをしていると、
動きがうまくできないときに、
無意識に表情が硬くなってしまう方がいます。

特に真面目な方ほど、
「ちゃんとやろう」とするあまり、
困難に立ち向かっているような表情になりがちです。

ただ、その表情が
サルサを踊るときの癖になってしまうと、
本人が思っている以上に、
相手に緊張感を与えてしまうことがあります。

サルサは、
一緒に踊る相手がいて初めて成り立つダンスです。

この教室では、
動きだけでなく、
踊っているときのふるまいも含めて、
少しずつ身につけていくことを大切にしています。

レッスン中に、
「動きは8割できていますよ。でも、表情が少し硬いですね」
と声をかけることがあります。

それは、
技術を軽く扱っているわけではなく、
サルサを踊るときに、
真剣な表情が“標準”になってしまわないようにするためです。

踊りの中で、
相手と過ごす時間そのものを楽しめる状態を、
目指しています。

サルサは、
上手く踊ること以上に、
一緒に踊っていて心地よいかどうかが、
大切にされるダンスだと思っています。

「一通り踊れる」の定義について

この教室で言う
「一通り踊れる」という言葉は、
難しい技をたくさん知っている状態を指していません。

また、
派手に見える動きができることや、
人に見せて驚かせることを、
目標にもしていません。

目指しているのは、
どこで踊っても、
相手を困らせずに踊れる状態です。

初めて踊る相手でも、
無理をさせず、
慌てさせず、
お互いに安心して踊れる。

その状態を、
「一通り踊れる」と考えています。

技術的には、
基本的な動きを中心に、
多くの場面に対応できることを大切にしています。

それらを、
考えなくても自然に使えるようになることで、
初めて、踊りに余裕が生まれます。

この教室では、
普通科の内容がある程度身についた段階で、
「一通り踊れる」状態に到達したと考えています。

それは、
完璧という意味ではありません。
趣味として、
サルサを楽しむうえで十分な土台ができた、
という意味です。

この基準に到達すると、
サルサの場で感じていた不安や戸惑いが、
少しずつ減っていきます。

踊ることそのものを、
落ち着いて楽しめるようになる。
その変化を、
大切な節目だと考えています。

「一通り踊れる」という言葉には、
とにかく一段落、
という気持ちも込めています。

向いている人/正直、向いていないかもしれない人

この教室は、
サルサを通して、
人と踊る時間そのものを楽しみたい方に向いています。

最初から上手く踊れる必要はありませんが、
少しずつでも前に進んでいきたい、
という気持ちを大切にしています。

向いているのは、
踊りながら感じる戸惑いや不甲斐なさも含めて、
「今の自分」を受け止めながら、
積み重ねていこうと思える方です。

技術だけでなく、
相手との空気や、
踊っているときのふるまいにも目を向けられる方とは、
とても相性が良いと思っています。

一方で、
サルサを「習っていること」そのものを、
ステータスとして楽しみたい場合や、
できる・できないの評価を、
できるだけ避けたい場合は、
この教室の進め方が合わないと感じるかもしれません。

サルサは、
肩書きや過去の経験とは関係なく、
踊るたびに、
その場での関わり方が表に出るダンスです。

毎回の踊りの中で、
少しずつ自分と向き合うことを前提にしています。

大切なのは、
自分に合った形でサルサと関わることです。

この教室では、
そうした関わり方の一つとして、
「続けながら、自然に変わっていく」ことを大切にしています。

体験レッスンとの関係

体験レッスンは、
このページでお伝えしてきた考え方が、
自分に合っているかどうかを、
実際に体を動かしながら確かめる時間です。

上手く踊れるかどうかを判断する場ではありません。

レッスンの進め方や、
その場の空気、
混乱したときの立て直し方などを通して、
「ここなら続けていけそうか」を感じてもらえれば十分です。

体験レッスンでは、
突然踊る場面もありますが、
それは驚かせるためではなく、
続けたときの感覚を、
ほんの少し先取りしてもらうためです。

迷っている場合でも、
決めなくて構いません。

この教室の考え方や雰囲気を、
実際に体験したうえで、
自分に合うかどうかを判断してもらえたらと思っています。

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麻布十番|未経験・初心者専門 セイちゃんサルサ
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