■エンタメやビジネスは”不安”を打ち消す勝負事
本当はおそらくエンタメだけじゃないでしょうね。ビジネスの立ち上げや経営もそうでしょう。もし成功させたいなら、日本人特有の強い不安遺伝子からの衝動や思考を、務めて抑える必要があるんでしょうね。今回はそんな話。
というのはこの両者、エンタメ系の運営やビジネスの経営において、どうしても避けられない課題があるからです。それは「集客」 集客が無いとそのエンタメもビジネス経営も成り立たない。端的に営業力とも言うかも!? 人間なんて所詮人生丸ごと営業ですから。文明が発達してきて、少しの例外も出てきましたけどね。
■営業力不要な人も居る!? でも超例外!
つまり営業力が無くても『なんとか行きていく』事が出来る個体(人間)も出てくるようになってきた。概ね5000年前くらいからかな。最初は0.000000001%くらいだったけど、今は1%はいるかも知れない。人生的に営業力を”さほど”必要としない人。
まずその最右翼にあるのが何代か続いてきた王様や貴族でしょうね。その子息とかは人生における営業力は自分の代、そんなに必要としない瞬間もある。営業を掛けられる側なだけ?! ふんぞり返ってもそこそこ相手してくれる人も居るわけで。内心バカにされている事も多いのでしょうけどね。
で、そこから少しくプラスアルファされてきた層もあるか?! それが”超絶技工職人”。モデルは北大路魯山人(笑) 中には100年前くらいの医者、弁護士、裁判官、、、とかも含まれたかも知れない。ふんぞり返ってもその技術や知識が桁違いにレアなので、どうしてもそこに頼らざるを得ない人が多すぎる。営業力が無くてもそこそこ生きていける。
だからでしょうかね。医者は今でも勝ち組なんて思われているかも知れません。でも最近はそうでも無いようで。病院(特に私立)の70%は赤字なんだそうだ。営業力が超重要な世界になってくる。ふんぞり返って努力もしない人は淘汰される世の中になってきているのです。
■ほとんどの人に”営業力”は必須
つまり何が言いたいか。この世はほとんどの人にとって”営業力が命”なのです。それによって人生苦難モードか、はたまた何やってもそこそこ楽勝モードなのかが決まる。世渡り上手みたいな!? これって、イコール営業上手なんですよね。自分を売り込むという意味で。
■エンタメ系は営業力がほとんど全て!?
でね。そんな中でエンタメ系。集客できるかという話です。まさに営業力を発揮させる必要があるんですね。なぜならエンタメって『不要不急』の代表格なんだから。必須でやらなきゃいけない事じゃないのです。
それでも人を惹きつけ、集客をする。並大抵の営業力完成度じゃぁ効かないでしょうね。そしてそれはサルサの本番、イベントやクラブ経営に当てはまる事になるのです。ま、当たり前っちゃ当たり前。
■日本人はエンタメ運営が苦手である事を自覚せよ
そしてそこに大きなブレーキを掛けてしまうもの。それが”不安遺伝子”です。日本人はセロトニントランスポーター(楽観的になれる作用を促すタンパク質)が少ない傾向にある。イコール、エンタメ運営に”素”で挑戦すると間違った判断・決断を下してしまう事が多いだろうという事です。
でも私は「だから日本人はエンタメは向いていない。やめろ」と言っているわけじゃありません。ただ「自分の内側から自然に湧き上がってくる不安は、なるべく抗って判断行動すべきである」と知る必要がありそうだ。そんな事を言いたいのです。
Knowing is half the battle(知ることは戦いの半分)by英語圏の名言
彼を知り己を知れば百戦殆うからず by孫氏
■本当に優遇する相手は誰か?
で、特にサルサ・クラブやイベント運営はどう抗うべきか。それは「本当に優遇する相手は誰なんだ?!」という問いに答え、その覚悟を決めるという事なのではと思う。
例えば会場の音量(や照度)。よくあるよね。デシベル上限。もちろん周囲の住民とかと軋轢が出来ればそのうち会場をクローズしなければいけません。気にする必要があります。でももっと考えなくてはいけない事。それはどの程度考慮するか、という事です。
住民との軋轢によりクローズを余儀なくされる可能性
vs
お客さんが喜び、リピーターになってくれる可能性
論理からいうとこのギリギリを攻めるべきでしょう。クローズしない程度でのリピーター率最大化。判断が難しいのはよくわかりますが。
■不安が競合に後塵を拝す
でも不安遺伝子が強い人は得てして「とにかく軋轢が来ない様に」、セーフティーマージンを取りすぎる事になりかねない。もちろん近隣にアクセス可能な競合が何も無ければOK。でもあったら?! そしてそこが更に薄いセーフティーマージンを取ってたら!? 徐々にでしょうよ、ゆっくりでしょうよ。でもお客さんは流れていっちゃうよね。
そして集客の実は一番怖い所。それは「人が人を呼ぶ」 逆を言うと「閑散が閑散を呼ぶ」 集客として”負け”が込んでくるんですね。恐ろしい事です。
■セーフティーマージン量の見極め
もちろんセーフティーマージンが薄ければ軋轢は来るでしょう。でもその時に営業力のある経営者はこう考える。「これは継続不能なダメージを受けるだろうか」 例えば同じ場所の他の曜日ではどんな感じか。そこがどれくらいのセーフティーマージンでやっているか。薄い場合、そこはバッシングを受けまくっているか。どれくらいの頻度で怒鳴り込み掛けられているか。継続不能なダメージを受けそうなのか。。。
そしておそらく気づく事もあるのではないでしょうか。「怒鳴り込まれて動揺したが、これはレアケースだったのだ」とかね。よもや嫉妬からの私怨にて、特定の人物から営業妨害されているだけの可能性もある。そんな時営業力のある人はこう思う事もあるかも。
「皆の楽しさを守るため、少々のバッシングは受けて立つか!」
■クレームから逃げない覚悟が好転を産む?!
以前私はコールセンターに努めていたのですが、そこで一番重宝されていた人物に「クレーム処理のプロ」が居ました。とにかくクレームが来たら彼が電話を受けるのです。2時間3時間、、、ずっと聞いている。謝っている。逃げる態度は微塵もない。でも反論すべき所は反論。規定外の譲歩は絶対しない。
あーこの人がこのビジネスを支えているんだなぁと思いました。大抵の場合電話相手は過大な賠償請求を諦め、捨て台詞と共に終えていました。(クレーマーと意気投合して切ったのも2,3度見た(笑))
■クレームが無い事なんて無いのでは
特にビジネスを成功させたい時、そこには必ずクレーマーのリスクがあると思います。でもそこであまりにもセーフティーマージンを取りすぎると、おそらくお客さんは競合に流れるでしょう。よっぽどビジネスモデルを確立したなら別でしょうが。よっぽど高価格帯のビジネスモデルなら別でしょうが、、、サルサはそうじゃないもんねぇ
もしサルサにて何か経営/運営しようと思うなら、「私は不安に駆られて競合に負ける判断をしがちである。それに抗った判断を常にするぞ!」と自分に言い聞かせる必要がある。私はそう思う。
ps
ただクレーマーって目立つからね。さも全員が同じ意見かと錯覚してしまいがち。ところが大多数は逆意見だったりする。サイレントマジョリティーとはよく言ったものです。本当に相手にしなきゃいけないお客様は明らかにこっちなんですね。
これも判断が難しい所ですね。
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