どんな先生がおすすめか？！　２

■サルサの”スタイル”って訊かれても(^。^;)

偶に聞く話。勇気を出して初めてのサルサのレッスンに行った時、皮切りに先生に訊かれちゃう事があるらしいのです。「どんなスタイルのサルサが習いたいの？！」

サルサさえも殆ど知らないのに、スタイルってなんやねん？！　となりますよね？！　で、「そーゆーの知りません」というと、「あそぉ？！　ウチは”ニューヨーク”なんだよね。大丈夫！？」とか。

今はもう居ないでしょうが、昔はこんな事を言う不親切な先生も、たまぁにはいらっしゃいましたよ。

でも確かにサルサにはスタイルという物があったりします。今回はそんなのをご説明したいと思います。概ねは”エルエー・スタイル”、”ニューヨーク・スタイル”、”キューバン・スタイル”の３種かな。

でもこの辺りは実はかなり諸説ありまして、しかも誰かがキッチリ文化人類学的発表した訳でもありません。要するに単なる個人見解？！　以下記載も同じ感じに見て下さい。

表記→　LAスタイル、LA
別名？！→　オン・ワン、On1

一番スタンダードだと思われるスタイルです。踊り方の詳細はあまりに難しいので割愛しますが、まぁ世界中どこ行っても大抵これは踊られていると思います。

実は上記した”キューバン・スタイル”も、ステップのタイミングだけをかいつまむとLAスタイルです。因み別名On1（”オン・ワン”と読む）とこのLAスタイルは同意語です。くどい人（笑）はLAOn1なんて、記載したりもするかもね。

表記→　NYスタイル、NY
別名→　オン・ツー、On2

このスタイルはニューヨークで開発されたとの事です。ざっくり説明すると技の開始が1カウント遅れる、ワザと一カウント遅れるスタイルです。

人間は音楽を聴くとき、本能的に半拍～１拍遅れるのは心地よく感じるという学術発表もあるとの事。それをサルサ・ダンスに応用、という主旨だと思われます。

よってステップの取り方、LAより難しいです。一歩ずれた、楽譜の区切りとは遅れた所で技がスタートするから。よってこのNYスタイル、踊れる人は”上級者の証”みたいな、ちょっとしたステータスを感じる事もある様です。

で、これが初心者にはクセモノかも知れませんね。「最初からOn2習った方が後々いいよ」なんて言う人もいる？！　On2至上主義みたいな御人もいます（笑）

「凄いだろう？！」とでも言いたい？！　ま、分からなくもありません。冒頭に書いたエピソードも、その先生は「ウチは上級者を要請する場所なの」とでも自慢したいのでしょう。

そして一つだけアドバイス。レッスンや先生をこのスタイルの”プレステージ”みたいなもので決めるのは、やもすれば回避した方が吉です。

それよりも最初の内は丁寧、優しく教えてくれる先生を。ちょっと進んだら”ステキな踊り方をする”先生に習う。これが王道です。実際スタイルにプレステージなんて無いと思う。これが一応両方共踊れたりする、私の率直な意見です。

この踊り方は恐らくマジでキューバのやりかた！　現地で踊っているスタイルなのでしょう。特長は全体が円を描く様に動く所です。

また、LAOn1やNYOn2はクルクルっと早く回転しますが（要するに床がつるつるの必要あり）、キューバンはずんどこずんどこ歩く感じに回ります。床がコンクリートだろうが砂地だろうが、全く関係無く安定して踊れます。

この踊り方の至上主義の人も居ます。「本場がこの踊り方なんだよ？！」だってさ。でもどだろね。確かにサルサの原型の一つ、”ソン”ってのはキューバ産ですが、サルサはニューヨーク発祥。”サルサ”自体はキューバに逆輸入じゃぁなかろかい、、、？！

とにかく”至上主義”的な考えは気にしなくて良い気がします。

他にもコロンビア産の”カリ”であるとか、NYOn2でも”クラブOn2”とか”ボールルームOn2”とか、あったりします。”プエルトリカン”というのもあるらしい？！　でも初心者は気にする必要無し。遭遇する事も少ないしね。

何よりもそんな小難しい事より、その先生の踊り方＆人となりを重視しましょう。レッスン参加も十分に”出会い”であり、それが楽しめそうな所が一番です。

あるいは昔は「ウチで習うなら他スタイルの人とは踊らないで下さい」とか言う先生まで居ました。でも、逆にそんな先生に習うのは辞めた方が良い。排他的な考え方は必ず自分が排他される団体も出来てしまう。そもそも楽しめなくなります。

じゃあどれが一番正しいか？！　いいえ、そーゆー切り口の話ではありませんでしょう。どちらかと言うと”この曲には、どのスタイルがよりピッタリと、楽しく踊れそうか”。

LAに合う音楽、NYに合う音楽、そしてキューバンで踊ると楽しい音楽ってのがそれぞれ、これまたおぼろげですがある感じがします。ま、どんなサルサ曲でも、どのスタイルでも踊れはしますけどね。そして楽しさも、私は皆が言うほど変わらないと思います（笑）

よってレッスン選び、先生選びはスタイルなんかじゃない。ぜひ”楽しめそうな”所を選んで欲しい、そんな思いが私にはあります。