雑記:この世の天国、ビーチ・サルサの歴史とそのまぼろし

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ビーチサルサ説明

このブログで雑記も掲載してみようかなと思い立ちました。その第一弾記事がこれ。夏になれば思い出す?!(笑) かつてほとんどのサルサ人を魅了しつくした、『ビーチ・サルサ』についてです。

で、一応このブログはサルサ初心者の為のものなので、今は無き(亡き?!)ビーチ・サルサについて、まずは解説したいと思います。

ビーチ・サルサとは

かつて毎夏開催されていたビーチ・サルサ。それは湘南海岸にある海の家で行われるイベントです。場所は江ノ島近郊、由比ヶ浜、材木座、逗子海岸でもやってたな。東京から電車で1時間くらい?! つまり、行きやすい!

やっている事はどこもほぼ同じでしたね。海の家を1日貸し切って、そこで音楽をかけるだけです。で、踊る。

湘南でやっている時分はパフォやレッスンはほぼほぼありませんでしたね。せいぜいバンドがソーシャル途中で5~6曲程演奏するだけ。しかもガチ・サルサ演奏。これで踊れるのです。踊れない時間なんて無い。

要するにガチ・ソーシャルLoverの為の、ソーシャル・オンリーのイベントだったのです。そう、ソーシャル狂いの私には神設定なんです!!

その中でも一番メジャーだったのが由比ヶ浜のクイックシルバーが主催するイベント。クイック・シルバーってのはカリフォルニアのサーフィン関連グッズ&アパレルブランドね。そこが毎夏海の家を建てるのです。

だからだろうか、なーーんかね、おしゃれだった。色使いとか?! 日本人では出来ないセンス。周囲の海の家とくらべてもあきらかに高級感・特別感がありましたね。

もし東京近郊サルサ10年以上選手に「ビーチ・サルサ」と言ったら、連想するのはクイックシルバーでしょう。間違いありません。

始まる時間はねぇちょっと日が傾いたあたり?! 16:00とかから音楽がかかり始めます。炎天下だと熱すぎだし、それくらいスタートが丁度良いですね。そして大音量のサルサをバックに徐々に夕方→星空になっていく。ね、セッティング最高でしょ?!

で、サルサ踊れる人はその店内でソーシャル遊びをするのです。床はねぇ板張りだけど海の家特有。板と板の間は全て2cm程の隙間が空いています。砂落としのためですね。そこでほぼほぼ皆ビーチサンダルで踊ります。分るね、技技したリードなんて出来ませんよ。優しくシンプルに踊ります(笑)

え?! どんなカッコで踊ってたかって?! 知らない人は信じられないだろうなぁ7割は水着でした。もっと信じられないだろう事は主に女性がそうだった事。しかもビキニ率8割。

「なんだそりゃ。男の天国じゃねーか。ビキニ女を誘って踊るのか?!」 そうなんです。男天国ね。でも当時の女性は自ら進んでそれをやっていた。私は男性なので分かりませんが、女性もその姿で踊る何らのポジティブな感触があったと思う。

「皆ビキニだから私もそーじゃないと恥ずかしい」的な、いかにもヘタレ日本人的空気だったのかも知れませんけどね。

なので?!です。当時は5月くらいからサルサ女性は本気でダイエットに勤しんでいました。「今年のビーチサルサのために!」って、ガチで頑張っていましたよ。

「去年はとてもじゃないけど水着は無理だった。今年こそ!!」なんて話、そこここで囁かれていました。だから?!かなぁ、サルサ女子。当時は特にスタイルいい人多かったです。特に夏前(笑)

で、何がそんなに楽しいのか。うーーんとね、開放感?! 海で遊んで、なんだったら結構泳いでて、そこで気が向いたら海の家で踊るのです。30分踊って、でもまだ17:00とかは熱くって、もう一度海に飛び込むとか。その繰り返し。 

で、だんだん夕日になっていく。周囲の海の家はどんどん閉まっていく。でもクイックシルバーだけはライトが灯り、サルサが流れ続ける。踊っている人だかりが暗闇に浮かんで見える。

ね、絵になるでしょ?! そしてそこに自分も入っていけるんです。サルサが踊れる≒ほぼほぼ主役としてその中にね。まぁ楽しいでしょ。間違いない。

突然のビーチサルサ文化終焉

そんな訳でビーチサルサ、全盛の頃は関東サルサ界の最高峰イベントでした。同等はコングレスくらい!? それを目標になんとなく自分の年間サルサ・スケジュールを立てるとかみたいな。それくらいの重要度でしたね。

でもそんな夢の様な楽しい時代は突然終わりが来ます。神奈川全域で「海岸での音楽演奏禁止」令が出たのです。なんでそんな事になったのか。それは海の家の「クラブ化」を近郊住人が問題にしたからです。

で、まず最初に言いたい事。それはそこまで10年程続いていたビーチ・サルサ開催と、その条令開始がほぼ関係無い事です。なぜならビーチサルサは1年にあって2回ほど。近郊が県令に抵触させる程問題にするには、頻度があまりにも少なすぎるのです。

私が独断に思う事は、多分我々のビーチ・サルサを真似た、単なるクラブ・ミュージックをかける海の家が勃興した事でしょうね。

そりゃ盛り上がるよね。海岸で音楽かかって、水着(半裸)の若い男女が集まるんだから。「サルサじゃなくても、もりあがるんじゃね?!」 クイックシルバーのお隣の海の家がクラブ・ミュージックを掛けよう、そして集客しようってのは、自然な発想だったと思うのです。ある時突然軒を連ねてそうなりました。ほんの2シーズン程でです。

で、これが海岸線の様相を急激に変えました。以前は家族連れも多い、音楽を殊更大きく流すわけでもない、ゴザ敷いて浮き輪売ってかき氷食べて的な昭和中期海の家が並んでいました。シャレオツなのはクイックシルバーくらい。

それがたった2シーズンで毎日クラブ音楽ガンガン、集まる客も若いウェーイ系ばかりになったのです。近隣は「今まで俺らが知っている夏の海岸じゃない!!」感がハンパ無かったでしょう。

私も禁止令が出る直前の海岸線はちょっと異様に思いました。ビーチサルサの3倍はあるだろうとんでもなくデカい音のクラブ・ミュージック。やたらケバいお姉さん&お兄さんが盛り上がっている。騒ぎ方は若いから元気だし、無茶して飲むからそこら中吐きまくるし、、、

近隣は分かりやすい被害、「ゴミのおきっぱ量が半端ない」なんて言ってましたが違いますね。単にパワーにやられたのでしょう。「コイツら怖い、もー来ないで!」な悲鳴?! 単にそんな感じだったのでしょうね。

ま、というわけで神奈川の主要なビーチは音楽を掛ける事が出来なくなりました。それも徹底していた。監視員が幾人も見回って、海水浴客がささやかにラジカセかけてただけで飛んできたもの。「静かにして下さい。条例違反です! 消さないと警察を呼びます」的?! なんとも楽しくないムード。足、遠のきましたね。

そんなこんなでビーチサルサ。完全消滅してしまいました。

クイックシルバー系ビーチサルサ復興の試み(と失敗?!)

でもあまりにも天国なビーチサルサ、残されたサルサ人は必死にその夢を取り戻そうとしました。

まずやったのは神奈川県令の睨みが薄い場所での開催。私は辻堂海岸に行った事ある。そこにいい感じの海の家がポツンと一軒あるんです。

考えてみるとこれが一番クイックシルバーに近かったな。めっちゃ楽しみました。でも1回で無くなった。おそらく県令厳守側に”バレた”んでしょう。同業者の嫉妬からチクられた可能性もある。

その他聞いた話では森戸海岸?! それも1回きりでした。辻堂海岸と同じでチクられたか、あまりにも行きにくい場所なので黒字化出来なかった可能性がある。

その他遠い所では静岡。神奈川県じゃなければ出来るんだろう的発想ですね。シズナミ・ビーチサルサと銘打ったのは3年程連続でやっていました。が、私は行っていません。なぜならほとんどパフォーマンス発表会。ソーシャルはチョロっともやらない?! そんなのに私が行くわけもない(^。^;)

効果的だと思ったのは材木座テラスやキコリ食堂という店の貸し切り。厳密に言うとビーチサイドの建物の中で、ドアを締めて音楽を掛けるのです。海の家ビーチサルサと比べると開放感が全然低いですけどね。私はそこはあまり気にはなりませんが。。。

ただこちら屋内のビーチサイド・サルサ。私は楽しめるのはほぼ無かった。なぜならこちらもパフォーマンス大会系だったから。で、やっとパフォーマンス終わったらミニ・レッスンだーサルサじゃないバンド演奏だーと、ソーシャル遊びとは程多い。行ってがっかりするだけ。

気持ちは分るんですけどね。主催者さんとしては赤字の可能性が怖すぎる。パフォーマンス・チームを呼べばその出場者の頭数&その友達の入場料が確実に計算出来るのです。レッスンやバンドも同じね。ファン来場が計算可能。どうしてもそれメジロ押しにしたくなるのですよ。

というわけで?!私は思う。禁止令が出てからその後、少なくとも8年以上!? クイックシルバー系な楽しいソーシャルなビーチ・サルサは、ほぼ失われているのです。

ビーチ・サルサ復興の可能性

で、再来の可能性。低いねーーー何しろ法的根拠を持って禁止だから。ビーチサイド建物でやる分にはこれからもありえますけど、主催者は大概パフォ大会やりたいだろうな。ソーシャル・メインはこれからもほとんど無いでしょう。つくづくソーシャル、人気ないんですかねぇ寂しい限りです。

場所としては材木座テラスはかなり良かった。あそこは広いウッドテラスが屋外・海岸線すぐにあって踊る事も出来ます。てか私は踊りました。スピーカーで音楽出してたし。あれがOKなら海の家でもやっていーんじゃね?!と思うくらい近い様相。(テラスは潰れた模様?! だからもぉやってないんだな、、、)

わずか江ノ島の佐々岡亭って海の家はクイックシルバー系のビーチサルサを開催しています。なんで出来るのか知らん。どうもオーナーが地元の顔らしく、近隣住民に睨みが効くのかな?!

でもそこでやるのは大概キューバン系なんですね。先生かだれか、キューバンな人達とオーナーがお知り合いなのでしょうか。

行った人から聞いた話。延々シャインのレッスンてか、要するに「じゃぁ皆さん先生を真似して踊ってみてくださーい」な一人ラインダンス的踊りを30分くらいやって、それ以外はキューバン・サルサを掛けているだけって感じだったらしい。踊る人は稀だとか?! 以前のビーチサルサを知っている人だとなんだぁがっかりとなってしまいそうな寂しさです。

私はなんとなく静岡県に僅かな可能性があるかなと期待しています。東京から日帰りでギリ行けない事も無い距離だし、上手く宣伝すれば黒字化も出来るかも?!

一回伊豆半島”宇佐美”って場所のビーチサルサに行きました。なにしろ遠くて集客が渋すぎたし、運営側の店は対応不慣れだし、踊る場所もかなり閉鎖的だった。主催者は盛り上げるのに四苦八苦している感じでした。

でも私はそれでも涙ぐんだなぁ。「あぁ、かつてのビーチサルサ、頑張れば取り戻せるかもなぁ」なんて思ったものです。すぐ海だし、ちょっとだけですが屋外でも踊れたし、夕日はキレイだったし。

でまとめると、例えば県令から隠れられる形でやる以外?!、例えば表立った大々的な集客をしないでダマテンで開催するでもない限り、再びクイックシルバー系ビーチサルサを味わうのはほぼ不可能に感じます。残念ながら。

なんとかあの天国を取り戻せないか、、、私も深く考える所であります。

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